在日韓国人・朝鮮人の離婚に関する特殊性<韓国・朝鮮人と日本人夫婦の場合>

離婚/夫婦財産契約 /

<韓国・朝鮮人と日本人夫婦の場合>
【協議離婚】
 日本法が適用されますので、韓国・朝鮮人同士の夫婦の場合と違い、離婚意思の確認を韓国総領事館で受ける櫃日本法が適用されますので、韓国・朝鮮人同士の夫婦の場合と違い、離婚意思の確認を韓国総領事館で受ける必要はありません。そのため、日本に所在する区役所等に協議離婚届を提出すれば離婚は成立します。

 

【調停・裁判離婚】
 原則として、離婚訴訟を提起する前に日本の家庭裁判所での離婚調停を経ることが必要となります(調停前置主義)。
 そして、調停において離婚が成立すれば、韓国領事館や日本の区役所等で離婚手続きを行うことになります。
他方、調停が成立しない場合には離婚裁判を提起し、離婚を求める必要があります。その場合、離婚が認められるためには離婚原因が必要となります。


【日本民法(770条1項1号から5号)の裁判上の離婚原因】
1号:配偶者に不貞な行為があったとき
2号:配偶者から悪意で遺棄されたとき
3号:配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
4号:配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
5号:その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

 

【子どもの親権と養育権】
 現在、韓国・朝鮮人と日本人の夫婦間から生まれた子は日本国籍と韓国国籍の二重国籍となります。このような場合、通則法38条1項但し書きは、複数ある国籍の一つが日本国籍である場合には日本法が本国法となるとしています。したがって、その子の本国法は日本法となります。そして、通則法32条により、両親の一方の者と同一本国法である日本法が準拠法となります。
 協議離婚の際には父母の協議によって親権者を定めることになります。裁判上の離婚の場合には家庭裁判所が職権でどちらか一方の親を親権者と決定します。

 

【子との面会交渉】
 離婚により、子を直接養育しないことになった父母の一方と子は、お互いに面接交渉する権利が認められます。面接交渉権は、離婚後も父又は母との信頼関係を引き続き維持し、子の情緒の安定と円満な人格の発達を目的としています。
 面接交渉権の具体的な行使方法と範囲については、まず、父母の協議により決められ、協議が調わないとき又は協議できないときには、当事者の請求又は職権により、家庭裁判所が定めることになります。
面接交渉の頻度については、明確な基準はありませんが、子を直接養育しない父母と子との間の信頼関係を維持・発展させるためには、最低1か月に1回の面接交渉が必要と考えられています。ただし、子の福利のために必要なときは、当事者の請求又は職権により、家庭裁判所は面接交渉権を制限し、排除することができます。

 

【準拠法】
 法の適用に関する通則法(以下「通則法」といいます。)第27条と第25条によると、夫婦の「本国法」が同一であるときはその法律によるとされます。他方、同一の本国法がない場合には夫婦の常居所地法が同一であるときはその法律によるとされ、夫婦の一方が日本に常居所を有している日本人の場合については日本法が適用されるとされています。
 その結果、日本に住む日本人と韓国人夫婦の場合には日本法によって離婚の問題について判断されます。